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尼崎市長、斎藤知事に苦言!県政混乱の本質的問題はコミュ力不足

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皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!

混沌としてきた兵庫県知事選挙。事実上、前知事の斎藤候補か、前尼崎市長の稲村候補かの一騎打ちになってきた感がありますが、その選挙戦はネット世論で誹謗中傷やデマ等が飛び交う、非常にカオスなものとなってきました。

今回の選挙が、県議会からの不信任決議を受けて行われるものである以上、その争点は「前知事の評価」「今後の県政の進め方」の2点が中心になるべきなのですが…

そんな中、現在の尼崎市長の松本氏がFacebookに投稿した文章が、とても読みやすく、かつ今回の選挙が起こった背景を冷静に紹介しています。

本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、そんな松本尼崎市長の投稿について、ご紹介しようと思います。

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目次

松本尼崎市長の投稿

尼崎市長の松本さんが投稿した文章、分かりやすいのですが、いかんせん非常に長文です。

ですので、何段落かに切って、ご紹介しようと思います。

同じ国家公務員出身の松本市長と斎藤知事

松本市長と斎藤知事は、どちらも国家公務員出身、いわゆる「官僚出身の知事」です。

松本市長は文部科学省出身、斎藤知事は総務省出身と、省庁こそ違いますが、どちらも「キャリア」と呼ばれる旧I種(現総合職)の職員。

もともと年齢が近い上、官僚組織独特の「上司の言うことは絶対」「年次絶対主義」とも呼ばれるような独特な組織文化のもと、国会議員の質問主意書などに苦しむキャリア官僚生活を経て地方政治の世界にやって来た、という点において、強いシンパシーを感じていたのでしょう。

本日、兵庫県議会議会の知事不信決議を受けた対応について、斎藤知事が会見をし、失職・再出馬の表明をされました。

これで、失職の日から50日以内に知事選が実施されることが確定しました。

これまで、私も、兵庫県のいち自治体の長として、兵庫県議会・知事の動向を注視してまいりました。

斎藤知事とは、県内の首長では、私が最も年齢が近かったこともあり、また、同じ国家公務員出身でもあったことから、政策についてたびたび意見交換することもありました。

尼崎が長年抱えているファミリー世帯の転入・定住促進の課題についても、住宅施策の観点から特区制度を設けるなど、施策推進の観点からもご協力いただいた点があったからこそ、今回の文書問題を起因とする一連の事案について大変残念に思っています。

そんな斎藤知事と松本市長、実際、初期の頃は、斎藤知事と松本市長が仲睦まじく写真に写っているシーンも、SNSなどで見ることができます。

文書問題発覚前から感じていた「兵庫県の異常さ」

一方で、松本市長は、そんな兵庫県に対して、違和感を感じていたことにも言及しています。

一方で、一連の事案が発生する前から、県庁職員の知事への対応については、過剰に気づかいをしている部分を感じたり、また県職員がなかなか知事に説明に入れないと嘆いていることなどを度々聞いており、風通しの悪さは、私自身、肌感覚で感じるところもありました。

当然、さまざまな現場で、松本市長と斎藤知事は相対することもあるでしょうが、そのとき、どちら側にも職員のアテンドがあろうかと思います。

しかし、そのアテンドの様子がおかしかったり、また県職員と知事とのコミュニケーションがとれていない様子だったり

そういった様子を、兵庫県内の中核市である尼崎の市長として、感じていたことを告白しています。

命が失われたこと、ミスを認めないことへの苦言

そういった点において違和感を抱いていた松本市長は、ついに「蜜月」に見えた関係を断ち、一連の問題に対する思いを綴り始めます。

今回の件について、自分の責任を認めていないことについて、「根本的問題には向き合っていない」と指摘しているのです。

一連の事案が発生してからこれまでの斎藤知事の説明を聞いていて、ずっと残念に思ってきたことは、亡くなった職員に対する姿勢でした。

本日の会見でも、県政の混乱自体については謝罪していますが、公益通報者保護法違反が疑われている文書問題に対する人事的対応等の初動ミスや、文書問題に関連して幹部職員がお亡くなりになったこと、さらには、その結果、県政が混乱したことの一連について、自分の責任を認めず、混乱が起きた根本的問題には向き合っていないのだろうと受け止めました。だからこそ、「辞職」でなく「失職」を選んだのだと思います。

斎藤知事がこのようなスタンスである以上、これまで知事を支えてきた職員や議会、そして県民は到底納得できないのではないかと思っています。

組織のリーダーは、政策立案や予算・条例に関する知識を持ち、正しいことだけを言えばできる仕事ではありません。

また、松本市長は、この投稿の前の記者会見において、今回の件で職員の命が失われていることを、非常に強く指摘しています。

人が亡くなっているにもかかわらず、斎藤知事のこれまでの記者会見では、感情を一切見せることもなく、口先だけで「お悔やみを申し上げる」と述べるだけ

そこに感情がこもっていないから、誰も共感しないし、斎藤知事の説明に納得しないのです。

根本的問題は「感情に寄り添えなかったこと」

この「感情」の問題に、松本市長はさらに深く入り、指摘を続けます。

人は感情の生き物です。

職員一人ひとりも、当然、それぞれの哲学や思いを持っています。多様な考えを持っている組織の職員とコミュニケーションを図り、時には、論争をし、時には厳しいやりとりをし、時には励まし合い認め合う、そういった関係を築きながら、リーダーとしての思いを、粘り強く実現していく必要があります。

改革を進める際にも、最終的に、文書を作成し、関係者に説明に回り、「汗をかく」のは職員です。

職員に迎合する必要は全くありませんが、職員に敬意を払い、仕事をしていくことは当然のことです。もちろん、議会との関係も同じです。

こういったことができなかったことが、一連の問題が収束しなかった根本的問題だったのではないかと思っています。

そして、その象徴として、一連の文書事案に対する不適切な対応が発生したのではないかと私は受け止めています。

人口約530万人、面積約8,000㎢、県内に29市12町の市町を抱える兵庫県を、知事一人で動かすことは、現実的にはできません。

ですので、知事のもとで手を動かし、住民や市町と実務的な調整に入る県職員、そして県知事の政策をチェックし、承認する県内各地の住民代表・県議会議員との信頼関係がなければ、県政など動くわけがありません。

斎藤知事が、そこに気づかず…すなわち職員の「感情」へ配慮することなく、職員へのハラスメントを続け、議会との丁寧な協議を拒否してきた…そのことが文書問題を引き起こした。

これが、一連の問題の「根本的問題」だということですね。

さくら
「職員に迎合する必要はないが、敬意を払う必要がある」というのが、知事と職員の正しい関係なんでしょう。

斎藤知事の「改革」への指摘

加えて松本市長は、斎藤知事の「改革」が生ぬるいとも指摘します。

不信任決議が出た頃から、斎藤知事は、様々な改革実績をアピールし、「改革派」としての自分の姿を描こうとし始めましたが、出勤率4割を前提にした県庁の建て替え構想など合意の得られない案を提案した結果、現時点でも、多くが合意できるような新たな県庁建て替えの方向性は示せていません。

議会対応やマスコミ対応、各市町とのやり取りもあり、また、文書作成一つとっても、部局内・部局間がすり合わせながら作成していくような仕事の仕方をする行政組織は、与えられたタスクを一人でこなし完成させるような組織とは性質が異なります。こういった業務の性質も踏まえながら、現実的な提案をしなければ、到底、県民の理解は得られるものではありません。

また、財政改革の結果、財政調整基金も130億円になったという主張についても、国においても過去最高の税収となるなど、全国的に決算が好調な状況が続いていることを踏まえれば、改革の成果とは言えません。類似他都市と比べて厳しい財政運営をしてきた尼崎市も、長年の改革の取組により令和5年度決算で財政調整基金は約130億円となっています。予算規模で本市の約10倍もある兵庫県の財政調整基金が、本市と同じではまだまだ足りません。

県庁建て替えについては「合意の得られない非現実的な案を提案し、新しい方向性が見えてこない」との指摘(なお、その後、斎藤知事不在の中で一定の方向性が示されています)

斎藤知事が「改革の成果」で主張する財政基金の残高も、「予算規模が尼崎市の10倍もある兵庫県が、尼崎市と同じでは足りない」との指摘。

さくら
逆算すると、尼崎市と同じレベルにするためには、兵庫県の基金は1300億円必要、ということになります。

こういった改革について、職員や議会、マスコミと信頼関係をもって取り組むことが必要なのに、それもできていない。

兵庫県政は、知事一人で動かせるような規模感には、ないのです。知事は権限はあるかもしれませんが、権限しかないので、実務を動かせず、改革もまともにできていない

規模こそ違えども、同じ自治体の長だからこそできる、説得力のある指摘です。

「大阪との差」に悩む市長会の要望にも向き合わず

ところで、今、兵庫県内の自治体では、給食費や高校授業料の無償化などで、大阪府との行政サービス格差が課題になっています。

これは主に大阪府と兵庫県の財政状況の差に起因するものだと思われるものであり、兵庫県市長会は兵庫県に対策を要望しているのですが、兵庫県は我関せずで議論にろくに乗ってこない。

基礎自治体が悩んでいるこういった現状に、斎藤知事率いる兵庫県が全く対策を打たないことも、県内自治体の不満になっていると指摘します。

「改革の成果を若者への投資に」といった趣旨の発言もありましたが、大阪府と大きな差が出ている高校無償化や、子ども医療費、給食費等についても、市長会で議論になっても、全く議論にもなりませんでした。基礎自治体も頑張らなければいけないところですが、基礎自治体も苦しみながら財源を捻出している中、兵庫県は「われ関せず」にはいかないはずです。

県立大学無償化の施策についても、対象者が極めて限られるという批判は免れず、より公平な仕組みを考える必要があります。

加えて、県立大学の無償化についても、対象者がきわめて限定的。今のスキームだと、県が設置主体になっている県立大学でしか取組ができないのですが、本来であれば神戸大学のような国立大学、関西学院大学や甲南大学といった市立大学に通う学生に対しても、何らかの施策が必要なのではないか…という意見です。

さくら
しかもこの県立大学の無償化も、県庁内で十分に議論されないままに表に出てきて、県庁内も議会も大学も大混乱になったらしいですね…

県内市町長からも見放されている斎藤知事ですが、その背景には市町長との対話が十分にないという点がありそうですね。

問題の本質は「関係者とのコミュニケーション不全」

松本知事の投稿は、このような形で締めくくられます。

今回の問題は、政策以上に、斎藤知事が、政策の企画立案を担う(実際に汗を流す)職員と、そして、二元代表制の一翼を担う議会との間で、信頼関係を築けなかったことが最大の要因であり、それは、すなわち、斎藤知事ご自身のコミュニケーション能力に起因していると思っています。

「県政を前に進める」ことは、知事一人でできるわけではありません。いかに県政への思いがあろうとも、このままでは、兵庫県政が前に進むはずがありません。

今後、50日以内に、知事選が行われます。

選ぶのは「県民」です。

私は、新しい兵庫県知事には、県職員との信頼関係を構築し、(なれ合いでない形で)「チーム兵庫」となって施策を推進し、議会とも是々非々となって議論をし、県民本位の立場に立って政策を進めてもらいたいたいと思っています。

このことができれば、自ずと、県内各市町との連携も強化されていくものと信じています。

私も一人の若い組織の「長」として、今回の兵庫県の一連の課題に対して、謙虚に向き合っていきたいと思います。

一人ひとりの人権の尊重、多様性の尊重を基盤としながら、着実に職務を推進できるよう精進してまいります。

素晴らしい歴史のある兵庫県が新たに生まれ変わることを祈念したいと思います。

一連の兵庫県政の問題は、斎藤知事の政策でもなければ、パワハラでもおねだりでもなく、

斎藤知事が、政策の企画立案を担う(実際に汗を流す)職員と、そして、二元代表制の一翼を担う議会との間で、信頼関係を築けなかったことが最大の要因であり、それは、すなわち、斎藤知事ご自身のコミュニケーション能力に起因する

であるということを、強く指摘しています。

この問題の本質は、斎藤知事が職員とコミュニケーションをうまくとれなかったこと

それがパワハラという形で表れたり、あるいはおねだりを職員が諫められなかったことに表れたりしたのです。

そして、それらの指摘に対して、真摯に向き合うことなく、対話を放棄した結果、県内市町長からも、議会からもそっぽを向かれてしまった…。

これが、一連の兵庫県政の問題の、原因と結果だという指摘です。

少し長文ではありましたが、その分説明が丁寧であり、非常に的確で、分かりやすい内容だったかと思います。

まとめ

以上、本日は、一連の兵庫県政の混乱に対して、松本尼崎市長が問題提起を行ったFacebookの投稿について、ご紹介させていただきました。

兵庫県政の混乱の本質は、県政を担うパートナーである職員や議会とコミュニケーションが取れなかったこと

パワハラやおねだり、議会とのあつれきは、その結果でしかありません。

この投稿は、9月30日のもので、まだ選挙戦がスタートする前。従って、特定の候補者をどうこうしようというよりも、県内でも特に大きな自治体の市長として、兵庫県政の混乱を憂う中で書かれた文章だと考えられます。

現在の兵庫県知事選挙はカオス化しており、これまで積み上げてきた真実を覆い隠すかのように、デマやレッテル貼りが横行しています。

松本市長の投稿は、長文ではありますが冷静かつ的確。こういった指摘が、選挙戦の前になされていたことを、改めて共有しておきたいと感じた次第です。

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