皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!
混沌としてきた兵庫県知事選挙は、前職の斎藤元彦候補と、元尼崎市長の稲村和美候補が激しく競り合っている展開です。
序盤は尼崎市時代の実績も十分で、多くの県民や県議会議員、県内市町長からの信頼も熱い稲村候補が有力かと思われていたのですが、斎藤候補はネット世論を駆使した選挙活動を展開し、ネット世論では斎藤候補優位説も流れているほどです。
しかし、そういったネット世論の中には、稲村候補への事実と異なるレッテル貼りや、これまでの展開を全無視した「パワハラはなかった」「斎藤さんは陰謀で陥れられた」等のデマも多く、県政をずっと見てきた身からすると、非常に不本意な展開になっています。
しかし、稲村候補は、そういった情勢を知ってか知らずか、ネット世論の方にはあまり関心がない様子。
でも、このまま、ネット世論を放っておいて良いのでしょうか。稲村候補、今のままの選挙活動で良いのでしょうか…。
本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、稲村候補の選挙活動の改善策について、特にネット世論対策を中心に、提言してみようと思います。
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「従来型」の選挙活動を行う稲村候補
今回の兵庫県知事選挙で、斎藤元知事からの政権交代を願う人にとって、期待の星とも言えるのが、元尼崎市長の稲村和美候補。
県議を2期、そして尼崎市長を3期にわたって経験し、議員の立場と首長の立場の両方を知る、きわめて堅実な政治姿勢が売り。
そんな稲村候補の選挙スタイルは、きわめてオーソドックス。
県内各地を回って、自らの政策をしっかりとPRし、討論会などでは現実味のある政策提言を行って、安定感のある立ち振る舞いをしています。
そしてそのとき、斎藤知事のパワハラをはじめとした、いわゆる「文書問題」についてことさらに触れることもなければ、対立候補の攻撃をすることもなく、愚直に自らの政策や政治的スタンスのPRを続けています。
稲村候補のこれまでの実績を踏まえると、一般的な選挙であればこれで良いと思われます。
そう、一般的な選挙であれば…。
斎藤候補のネット世論+立花氏の参戦でカオス状態に
しかし、今回の選挙は、実質的な相手方となる斎藤候補が、ネット世論を喚起する形の選挙活動を展開しています。
加えて、そこにNHKから国民を守る党の立花孝志氏が参戦してきて、ポスター掲示板をたくさん発注させて混乱させたり、元西播磨県民局長のプライバシーを暴くような演説等を繰り返したことによって、選挙の情勢は完全にカオス化してしまいました。
ただ、少なくともSNSでは相当程度「斎藤知事のパワハラはなかった」などという、これまでの議論を根拠なく覆すような雰囲気が漂っていますし、Yahoo!ニュースのコメント欄…いわゆる「ヤフコメ」も、兵庫県知事選挙に関係するニュースが出る都度、「斎藤知事がハメられた」的なものが数多く投稿されているのが現状です。
ですので、何も知らない人がふとネットで情報収集をしようとすると、

などという事実誤認に陥ってしまうような状況にあるのです。



カオスな選挙戦における稲村候補への提言
このような情勢ですので、
稲村候補が従来型の選挙活動を繰り返していると、いつの間にか事実をねじ曲げたネット世論が、県政に大きな関心がない人々のリアルな投票行動に波及し、足下をすくわれる懸念が大いにある
という状況にあると言わざるを得ません。
そうならないように、稲村候補は選挙戦略の見直しが必要なのではないかと考えられます。
稲村候補の選挙活動を見守ってきた立場から、僭越ながら、いくつか見直し案を提言したいと思います。
【提言①】もっとSNSや動画の活用を!
稲村候補のSNS…X(旧Twitter)やInstagramの情報発信は、必要最小限にとどまっており、あまり拡散されていない現状にあります。
また、発信された内容も、当たり障りのない内容であることが多く、はっきり言って熱烈な支援者以外には刺さらないような内容です。
一方、斎藤候補は、写真の見せ方や動員のかけ方など、SNSで「映える」発信を仕掛けるのが大変にうまく、この見せ方の上手さによって



と思わせるようなことができています。
稲村候補も、もっとSNSや動画を駆使して、ネット上の露出を増やす、そして「映える」発信を仕掛けていく必要があると考えます。



【提言②】もっと斎藤候補と戦う姿勢を!
斎藤候補陣営は、稲村候補に対して、事実無根のデマやレッテル貼りも含め、かなり執拗に攻撃をしてきています。



おそらく、稲村候補は、こういった攻撃に対して「まともに取り合わない」というスタンスを取っているのだろうと思うのですが、そのことによって相手がどんどん増長し、攻撃が過激化してしまっているように感じます。
また、今回の県政の混乱を招いた最大の原因である「文書問題」についても、おそらく相手を攻撃することが彼女の美学に反するというスタンスなのだと思いますが、積極的に批判するスタンスをとっていません。
でも、そういった態度は、このカオス化した選挙情勢においては、単なる「消極的な戦略」になってしまっており、そのことによって斎藤陣営の「文書問題はデマ」という事実無根の主張が、情報量の多さで大勢を占めてしまっている印象です。
現状、そういったデマに対しては、稲村候補に共感する支援者たちがSNSで個別に反論していっていますが、いかんせん斎藤陣営の反撃は数が多いため、多勢に無勢になってしまいがち。
こういった戦況が続くと、日々斎藤陣営の攻撃にさらされている支援者たちは、疲弊してしまいます。
もちろん稲村候補自身が斎藤陣営の細かなレッテル貼りにまともに反論する必要はありませんが、そういった斎藤陣営と、しっかりと向き合って戦ってくれる支援者やスタッフを、戦略的に強化する必要性は非常に高いです。
稲村候補自身やスタッフたちが、きちんと斎藤知事の文書問題への批判や、斎藤陣営のデマ・レッテル貼りと戦う姿勢を示してくれることは、議論としても有効ですし、支援者や稲村候補支持者のモチベーションアップのためにも、非常に大切なことだと思います。



【提言③】若者からの支援をもっとPR!
稲村候補のPRを見ていると、非常に気になることがあります。
それは、日々の活動に、若者の姿があまり見られないこと。
言葉を選ばず言うと、中年〜高齢者からの支援が多く、SNSの写真もそのような雰囲気が感じられるということ。
中年〜高齢者の支持を得ていることはとても大事なことで、これは斎藤候補にはない強みになるのかもしれませんが、一方で若者の支援がないような雰囲気が強まると、斎藤候補が得意とするネット世論の「レッテル貼り」を誘発することになりかねず、非常に危険です。
稲村候補の支援者の中に、若者がいないわけではありません。
ならば、そういった「稲村候補を支援する若者」をもっと全面に出して、「若者から中年・壮年、さらには高齢者まで」と、全世代的な支持を受けていることをPRしていくことは、ネット世論対策にもなりますし、何より知事候補として信頼できる姿になっていくことでしょう。
【提言④】保守系政治家とのコラボを!
稲村候補は、どの政党からの支援も受けない、市民派としての政治スタイルにこだわりを持っています。
このこと自身は、私も、とても大切なことだと思います。
しかし、兵庫県知事選挙モードとなったSNSのタイムラインを見ていると、稲村候補を支援しているのは、いわゆるリベラル系の政治家ばかり。
そうでなくても稲村候補は「左翼」「極左」といったリベラル系のレッテルを貼られて攻撃されることが多い中、SNS上でリベラル政治家からの支援しかないように見えることは、こちらもネット世論で揚げ足をとられるリスクが非常に高いと感じます。
一方で、神戸新聞の情勢調査を見てみると、稲村候補は自民党や維新からも一定の支持を得ていることが確認されています。
おそらく、保守系の人たちからしてみると、稲村候補は「県政の混乱を鎮めてくれる最有力候補者」と評価している一方で、これまでのリベラルな経歴から積極的に支援することが難しい…という評価になっているものと思われます。



しかしこの「積極的に支援することが難しい」という現状は、もし誰か有力な保守系の、それもできるだけクリーンなタイプの政治家が稲村氏への支援を表明し、それがSNSでも広まれば、一気に雰囲気が変わると思われるのです。
「保守からリベラルまで、すべての層からの支持を得て、混乱した県政を立て直す」
これが今回の兵庫県知事選挙において、もっとも重要な目的になります。
そのために、保守からも一定の支持が得られている状況を、SNSで「見える化」することが大事だと言えそうです。
なお、保守系会派からの支持を得ようとすると、逆にリベラルからの支持が離れる…という指摘は理解しています。ただ今回の場合、立憲民主党系であればそう簡単にリベラルからの支持は外れないでしょうし、保守系を毛嫌いする共産党は別の候補者を立てているのでもとから稲村支持ではありませんから、特に気にしなくて良いでしょう。
先ほどは三宮の街頭演説に多くの方にお越しいただきありがとうございました!#小池晃 さん、 #たつみコータロー さん、 #アルテイシア さんありがとうございました。
今日は明石から神戸を回り、夕方はこちら↓
午後4時45分〜
関西テレビ(8ch)「newsランナー」
知事選候補者の生討論会です… pic.twitter.com/pCUqLlA8Ea— おおさわ芳清(大澤よしきよ) @兵庫県知事候補 (@OsawaYosi) November 4, 2024



【提言⑤】県内市長・町長ともっとコラボを!
稲村候補は、尼崎市長時代、県内の市長・町長と非常に関係が良かったようです。
このことは、立候補が明らかになった直後から、多くの県内市町を回り、そこの首長とお話しできる機会を得られていることからも明らかです。
とりわけ、兵庫県内で圧倒的な存在感を放つ小野市の蓬莱市長と仲が良さそうなその様子は、非常にインパクトがありました。
続いて小野市役所を訪問し、市長時代からアドバイスを頂くことも多かった蓬莱市長にご挨拶。
組織マネジメントのあり方や、県内の均衡ある発展のための戦略的な県市町連携などについてお話を伺いました。
蓬莱市長ありがとうございました!#ともにひょうご #稲村和美 #いなむら和美 pic.twitter.com/Lus4zMmqM6
— 稲村和美(いなむらかずみ) official (@inamura_info) October 10, 2024



また、若き改革派の市長である川西市の越田市長や、尼崎市のお隣、西宮市の石井市長とも仲が良さそうな様子です。
#稲村和美 さんと、石井西宮市長、越田川西市長。
12年の尼崎市長時代のパイプを生かしてか、県内の多くの首長の皆様と会っておられた稲村さん。
多忙な方々が時間を割いて下さるのが凄いなあと思ってた。— KEIKO O. (@ktok2013) October 31, 2024
言うまでもなく、県政は知事一人では動かすことが出来ません。小さな町村役場なら、首長のパワープレイで行政が進むかも知れませんが、広大な県土、数百万にも及ぶ県民に対して施策を届けようと思えば、直接住民と接する最前線の市町との連携は必須です。
斎藤知事は、兵庫県市長会から事実上見放された状況にあります。
一方の稲村候補には、市長時代の実績で、こういった市町長との信頼関係ができています。
この、県内市町長との絆は、斎藤候補にはない強い武器になりますし、また選挙対策的にも非常にインパクトがあります。
活動初期の頃は、県内市町長とのコラボがたくさん見られましたが、最近は少なくなったように思います。
今こそ、再び県内市町長との絆をPRし、「現実的に県政を動かせる県と市町とのパートナーシップ」を見せつけてほしいと、心から願っています。



まとめ
以上、本日はネット世論を駆使して選挙戦で巻き返しを図る斎藤陣営に対し、稲村候補がどう向き合うべきか、どう対策するべきかについて、
- SNS・動画の強化
- 文書問題やデマ等と戦う姿勢
- 若者からの支援をPR
- 保守系政治家とのコラボ
- 県内市長・町長とのコラボ
という、5つの対策を提言させていただきました。
斎藤候補が喚起するネット世論の中には、百条委員会等のこれまでの議論の積み上げを完全無視したものや、亡くなられた元西播磨県民局長の名誉を著しく毀損するものが多く、選挙戦略のもとにこのようなことがまかり通るようであれば、世も末だと感じています。
一方で、そういった状況に対して、何らの対策も打たないままでは、そういったデマやレッテル貼り、名誉毀損の類も、すべて「真実」だと誤解されてしまいかねませんし、何ならそういったデマを消極的に受け入れた、というふうにもなりかねません。
「ウソも百回言えば真実になる」
今、これが兵庫県で現実になろうとしています。
稲村陣営の置かれている状況は、想像よりも厳しいと思われます。今のような「従来型の選挙活動」を漫然と続けていては、いつかネット世論に飲み込まれてしまう可能性も、十分にあるのではないかと感じています。
もし稲村陣営が、選挙戦の勝利を通じてこれを阻止しようとするのであれば、この戦略、少しでも参考にして頂ければと思います。