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皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!
混迷を深める兵庫県知事選挙。その中で、前職の斎藤元彦候補が、「職員との信頼回復手段」を問われたときに「ランチミーティング」と答えたことが、ちょっとした物議を醸しています。
しかし、ランチミーティングで信頼が回復するとは、私はどうしても思えないのです。
本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、斎藤候補が主張する「ランチミーティングを通じた職員との信頼回復」について、考察してしようと思います。
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ランチミーティングで信頼回復?
今年3月、元西播磨県民局長の内部告発文書において、パワハラ等のさまざまな疑惑を告発されたことに端を発した、いわゆる「文書問題」。
この文書問題が起こった背景には、斎藤知事(当時、以下同じ)が職員に対してパワーハラスメントなどを行ったり、「牛タン倶楽部」と呼ばれる一部の職員だけの意見を聞いて県政を運営したりした結果、職員の信頼を失ってしまったことがあるとされています。
要は、
というわけです。ですので、県議会における不信任決議を受けた後の知事選挙において、「県職員との信頼回復」が彼にとって大きな課題になることは、ごく自然な流れです。
「職員との信頼回復策」に関する問いは、報道等でもよく行われているのですが、そうした問いに対して、斎藤知事は次のような答えを返しています。

知事とのランチミーティングはむしろ職員の信頼を失う
しかし、知事とのランチミーティングで、斎藤知事への信頼が回復するとは、私にはどうしても思えないのです。
理由は2つあります。
【理由①】休憩か勤務時間かが判然としない
まず、そもそも「ランチミーティング」とは何なのか。
これをGoogleで検索して見ると、生成AIが分かりやすい回答を示してくれたので、これを引用します。
ランチミーティングとは、昼食の時間を利用して行われる会議や意見交換会、ミーティングなどのことです。食事をしながら和気あいあいとした雰囲気で意見交換を行うことで、社内のコミュニケーションを活性化させ、部署やチームの垣根を超えた全社横断的なつながりを構築することを目的としています。
ランチミーティングのメリットとしては、次のようなものがあります。
- 緊張して発言がしにくい人でも気軽に意見を述べられる
- それまで聞くことのできなかった新たな考えや、新鮮な意見を聞くことができる
- 社員の結束力を引き上げる
- 昼食の時間を業務の一環として効率的に活用できる
ランチミーティングの開催場所は、会社から近い場所、おしゃれな雰囲気のカフェなど外食をしながら行う場合と、社内の会議室でお弁当を手配する場合などがあります。規模は、イベントとして事前に計画されて行われる大規模なものから、数人で行われるものまでさまざまです。
ランチミーティングが労働時間と見なされた場合は、残業代請求することも可能です。
実はこの中で書かれた「ランチミーティングのメリット」中に、一つ致命的な問題があります。
何が言いたいか。
そう、
という行為なのです。
一方、職員の立場からすると、昼食を取ることが出来る時間でもあるため、なかなか「この時間は勤務時間ではないですよね?」とは言いにくいところ。
なので、「休憩」なのか「勤務時間」なのかが、職員の立場に立つと、判然としないのです。
もっと過激な言い方をすれば、
といも言えてしまうでしょう。
なお、生成AIの文書にもあるように、ランチミーティングの時間が労働時間と見なされた場合、残業代(自治体であれば超過勤務手当)を請求することは理論上可能であろうとは思いますが、現実的にランチミーティングを残業扱いすることは、なかなか難しいでしょう。



【理由②】昼食を落ち着いて食べられない
続いて、これは労働時間か否かということとは関係ない視点なのですが、普通に考えて、労働者である職員が、上司と仕事の話をしながらお昼ご飯を食べるのは、なかなか落ち着かないのではないでしょうか。
お昼ご飯のときくらい、頭の中を空っぽにして、リフレッシュしながら食事を楽しみたい。あるいは、気の置けない同僚と、ワイワイしながら食事をしたい…。
普通の人は、こういう感覚にあると思われます。
上司の方は、「部下と気軽に話をしたい」「一緒に食事をとって、組織の結束を高めたい」と思っているかもしれませんが、それは「仕事と生活が一致している上司」側の勝手な主張であって、部下側からすれば「食事の時くらい、仕事の話や職務上の上下関係から解放してほしい」というのが偽らざる本音です。
特に最近、若者たちは職場の飲み会すら敬遠する時代です。そういった感性を持つ者たちとのランチミーティングなんて、敬遠こそされ、喜ばれることはないでしょう。
【理由③】パワハラの相手と食事をする気になれない
上記の理由2つは、兵庫県に限らず、どの自治体…いや、民間企業等も含めたどの職場であっても、一般的に成立しうる話かと思いますが、こと兵庫県に関しては、
ランチミーティングを誘ってくる上司が複数のパワハラを多くの職員に告発されており、職員との間に信頼関係がない
という、致命的な状況にあります。
このブログでも取り上げた「考古博物館20メートル歩かされた事件」をはじめとして、斎藤知事のパワハラ行為については、職員アンケートでも数多くの事案を、数多くの職員に告発され、それが兵庫県議会ホームページで公表されているなど、多くの人々の知るところとなっています。
果たして、そんな人と一緒に食事をして、部下たちはリラックスして話ができるのでしょうか。
そのような時間を、休憩時間か勤務時間か判然としないような形で、知事に預けることができるのでしょうか。
ランチミーティングは、もしも上司と部下の間に強固な信頼関係があり、部下に相応の納得度が得られているのであれば、その効用は認められるかもしれません。
しかし、上司がこれだけのパワハラを告発されている状況の中、パワハラ加害者とされている人物から誘われるランチミーティングなど、誘われた側にとっては、恐怖しかありません。
そして、そういう「恐怖」を含めたランチミーティングに関するネガティブな意見も、きっと知事に意見することは出来ないでしょう。
今の兵庫県は、知事と職員がランチミーティングをする状況にはありません。
まとめ
以上、本日は、斎藤知事が職員との信頼回復手段として掲げている「ランチミーティング」について、その問題点を取り上げてみました。
ランチミーティングは、一般論としても「休憩か勤務時間かが判然としない」「落ち着いて食事を取れない」という課題があり、相当高い信頼関係がないとポジティブに成立しない取組です。
そんなランチミーティングが、上司がパワハラまたはそれが疑われる行為を行い、組織において部下からの信頼を失っている状況において、まともに機能するとは、どうしても思えないのです。
斎藤候補者の言葉で言えば「県政を前に進める」、稲村候補者の言葉でいえば「県政を新しくつくる」、その担い手は1人の知事ではなく、数多くの県職員たちです。
ランチミーティングをする前に、まず県政の担い手である職員たちの心理的安全性の確保を。
そして、そのためには何が必要なのか…そのことが、まさに今回の兵庫県知事選挙では、問われているのです。