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斎藤元知事のパワハラ疑惑、真実は…百条委員会と職員アンケートから振り返る

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皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!

混沌としている兵庫県知事選挙。そのきっかけは、元西播磨県民局長による内部告発文書がきっかけ。公式な場では、いわゆる「文書問題」と言われるものです。

その文書の中で、斎藤知事(当時、以下同じ)によるパワーハラスメントが取り上げましたが、これを受け、県議会の百条委員会が職員についてアンケートを実施し、その内容に基づいて関係者の事情聴取が行われました。

その結果、最終的な結論に至っていない現状において「パワハラ」と認定するかは時期尚早としても、それに値する事案がかなり出てきています。

果たして、斎藤知事のパワーハラスメント、そしてそれに付随しておきた不適切な事象とは、どのようなものであったのか…。

そして、このパワハラ問題、真実はいったい何なのか…

本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、斎藤知事のパワーハラスメントについて、振り返ってみようと思います。

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目次

百条委員会の資料は県議会ホームページに掲載

まず前提として、本記事における情報の一次ソースを紹介しておきますが、これは

  • 兵庫県議会の文書問題調査特別委員会(百条委員会)が実施し、公表した職員アンケートの回答
  • これに基づいて行われた、百条委員会の中継動画

この2つであり、どちらも公表されていて、誰でも見ることが出来ます。

前者は兵庫県議会のホームページで。

後者はYouTubeに切り抜きではない全体版が複数公開されています。

なお、職員アンケートについて、その信憑性を疑う声が上がっていますが、職員が記名で答えているものも多いほか、複数の職員から同様の証言が上がっているものも多く、これを「信憑性がない」と一蹴することは不適切であると考えます。

また、そのアンケートに基づいて行われた百条委員会では、地方自治法第100条の規定により、証言を拒んだり虚偽の証言を行うと刑事罰が科されることから、証言については真実が述べられているという前提に立って理解する方が自然です。

以下は、こうした基本的原則にのっとって、紹介していきます。

真実に迫る…具体的なパワハラ等の事例

それでは、具体的なパワハラ等の事例を紹介していきます。

なお、ここでは、実際のパワハラ(のおそれがある事案)のみならず、パワハラを恐れた職員が不適切な対応・事務処理等を行ったことも含めており、「等」はそれを想定しているものとします。

【事例①】考古博物館で20メートル歩かされてブチ切れた事件

これは既に別記事も書いておりますように、各所で取り沙汰されている、考古博物館で行われた東播磨県民局主催の会議において、入口の20メートル手前で車を降ろされたことについて、知事が強く叱責した、というもので、パワハラ事案の代表選手のようになっている案件です。

これについては、「20メートル歩かされたことに、相応の理由があったこと」「叱責の口調があまりにも強すぎて、周りを萎縮させたこと」というのが問題点であるとされています。

昨年の東播磨地域づくり懇話会での20m問題については、その場で怒鳴られた●●●●●●から直接聞きました。齋藤知事は車を降りるなり、大声でどなり、部長は何で怒られているかもわからず呆然とした、と言っていました。「人事課の調査では、人事課の圧を感じ、『恫喝ではなかった』と言ってしまったが、あれは知事からの恫喝だった」と聞きました。

2023.11.28の東播磨地域づくり懇話会(県立考古博物館)の玄関先で●●●●●●と●●●●●●●●●の2人で待機し、知事到着を待っていた。私は建物内廊下(2枚の自動ドアを挟んだ内側)で待機。会議室には管内市町の首長・議会議長、管内選出の県議会議員の方々がおられ、トイレや電話等で出入りをされることもあり、各方位に注意を向けていた。
気付くと玄関先のお二人の姿が無かったため、知事が到着したと考え引きその場で待機していた。その後、時間が経過(経過時間は不明だが長い・遅いとは感じた)した後、視界に入った際には知事が●●に向かって何かを発言しながら、●●が頭を下げながら玄関に
普通と感じる速度で移動してきた。
知事は入館後、我々(他の職員を含む)の挨拶に対して返事を返すことも無く、会釈することも無く、不機嫌そう(あくまで私の主観)に普通に歩いて会場入口を横切り数十メートル先のトイレに入った。トイレ内でトラブルが発生したのではないかと気を揉む位の時間が
経過(あくまで私の主観)した後、普通に歩いて会場入口から入室、会議は数分遅れで始まった。
時間と場所はおぼえていませんが、●●●●から直接以下の内容を聞きました。
「車止めが置かれていたことをむっちゃ怒られた」「あんなに怒られたのは小学校以来やった」「最初、知事が怒って、車から降りないと言ったので、結構焦ってしまって、みんな(誰かは不明)でなだめて、やっと降りてもらえた」

【事例②】更衣室で一般県民と一緒になってキレた事件

これは、淡路の佐野運動公園において、更衣室で知事と一般県民が一緒になったときに、「一体どういうロジをしているのか」と厳しく叱責した事件です。

個室を用意する件について、令和4年10月30日に当課主催で淡路の佐野運動公園で開催したイベントにおいて、一般の更衣室で知事がトレーニングウエアへの着替えを行っていたところ、一般県民の方が1名更衣室を利用された。●●●●●●●●●●●●●●から、「知事が着替えをしているところに一般県民が入ってくるとは、一体どういうロジをしているのか」と厳しい叱責を受けた。この発言が、●●●●●が知事から指示を受けたものなのか、●●●●●自身の判断による発言なのかは不明。帰る際の知事の着替えについては、施設に無理を言って別の場所に個室を確保した。おそらく知事に個室を準備しなければいけない、となったのはこのイベントがきっかけになったと考えている。

令和4年度、淡路の佐野運動公園において、オリンピックメダリスト等による「淡路スポーツチャレンジ」と題した子供たちのスポーツイベントを計画課が開催した。当時当方は●●●●●●●であったが、子供たちに地産地消の大切さと、日本伝統の発酵食品のすば
らしさを知ってもらおうと、そのイベント中で淡路島食材を使った発酵食品の試食を企画した。当日、知事が会場入りし、計画課職員が控室(施設の更衣室をあてがった)へ誘導したが、控室で県民の方1名が偶然着替えており、それを見た知事から「なぜ他の人がい
るのか」との叱責があり、急遽別の部屋を控室にあてることになった。また試食について、知事がメダリストの方々と一緒に食べていたので、ほっとしたが、その後秘書課から、試食の味噌汁等が冷めており、知事にあんな冷たい料理を出すのは失礼だと怒っていると聞いた。メダリストの方々からはそのようなクレームは無かった。

これについては、地方の施設だったりするとなかなか知事に個室を手配するのが難しい状況の中、それがかなわずに結果として一般の更衣室を利用したわけですが、そのことをもって、「一般県民と一緒になっただけでキレた知事」というふうに否定的にとられられてしまいました。

これについては、知事のセキュリティの観点から個室があっても良かったのかも…とは思いますが、一方でそこで必要以上に厳しい叱責をしたことが、以降の「知事に個室が必要」というマニュアルを生んだとすれば、その「厳しい叱責」が罪深いのかな…という気がします。

さくら
お互いの言い分は分かるので、怒鳴ったりせず、普通に対話をすれば解決する話だと思うんですけどね。

【事例③】はばタンPAY顔写真事件

これもニュース等で報じられたり、百条委員会の場でも話題になったりしたので、多くの方がご存じの事案かと思いますが、斎藤知事が「はばタンPAY」のうちわやチラシに自分の顔写真がなかったことで、担当課を強く叱責したという事案です。

昨年7月24日の定例会見の項目レクの際、はばタンPAY+の資料を添付したが、それを見た知事から舌打ちの音と大きなため息があった。その後、「何が悪いか分かるか」と言われたが、思い当たる節がなかったため黙っていると、●●●●●●が「顔写真とかメッセージですか」との発言あり、その発言を聞いた知事から、「この事業は知事の肝いりの事業なのに、写真やメッセージがない。●●●●を呼べ」と指示があった。秘書課職員が●●●●に電話したが不在だったため、代わりに●●●●●●が知事室に来ることになった。なお、そのころは知事も少し落ち着いていたので、報道にあるように「お前じゃだめ」のような発言はなかった。知事が●●●●●●に「このうちわはすでに印刷済みか」と尋ね、●●●●●●は「すでに印刷済みだが、追加で発注する」と回答。知事から、「これは私の肝いりの事業だ。顔写真やメッセージといったものを入れてほしい」と指示があり、●●●●●●が「チラシ等には顔写真等が入っているので、うちわにも入れる」と回答した。

【事案④】尼崎の森中央緑地「授乳室を知事が占拠」事件

こちらも報道等で話題になったのでご存じの方も多いかもしれません。

尼崎市にある「尼崎の森中央緑地」のイベントに斎藤知事が来た際、これまでのパターンからして「個室の控え室」が求められることは分かっていたものの、現地には適切な部屋がありませんでした。

そこで事務方が苦肉の策として用意したのが、「授乳室」。ここを斎藤知事の個室として運用したのです。

しかし、そこは本来、一般の方の授乳スペースであり、斎藤知事がそこに滞在している間、授乳スペースとして活用することはできません。ましてやそこは、万一の時には来場者の「救護室」として活用するような場所だったのです。

斎藤知事は「授乳室だとは知らなかった」と主張していますが、この部屋を見て「授乳室・救護室だと気づかない」とは、どう見ても考えられません

「尼崎の森でのイベント前、秘書課から控室の確保の指示があった。仕方なく授乳室を転用した(報道のとおり)。」

尼崎の森中央緑地でのイベント(授乳室)について、知事は5/22の記者会見で、「当日いろいろ公務があり、スーツで行った。着替える必要があった。担当部局が控え室を用意。到着がギリギリでバタバタ・・・」と話されたが、朝9時からのイベントだったため、その前に公務はなかったはず。余裕で到着していた。と聞いた。

授乳室を控え室にした件について、過去に知事が怒ったから、周囲の人間が怒らせないよう(知事に行事を円滑に進めてもらうよう)配慮したと思われるが、それを知事が「私の指示ではない」と他人事のように言われると、何を信用したらいいか分からなくなる。

【事案⑤】公用車での乱暴な立ち振る舞い

斎藤知事は、密室となる公用車において、さまざまな乱暴な立ち振る舞いをしていたとの証言が出ています。

車の中で、後部座席から助手席を蹴る、遅れそうになると運転手に当たる、タブレットを投げつける、などなど…

こういった立ち振る舞いについては、知事が誰だとか、民間だったらどうだとか、それ以前の話で、どのような立場の人がどのような業態で行っても、パワハラにしかなり得ない事案です。

公用車で移動中予定時刻に遅れそうになると、公用車の運転員席を蹴ったり、タブレットを投げつけたりすると聞いた。(告発文が報道されて以降、控えているそうだ)

机を叩いて激高した、後部座席から前の座席を蹴った、機嫌が悪かった等、様々な所から聞いています。

公用車内で知事が激怒し、前方座席を蹴った。

時間に間に合わないと公用車の座席を後ろから蹴り飛ばす。

機嫌が悪いと、タブレットや資料等を投げる。

【事案⑥】ココロンカードの再印刷事件

兵庫県には、子どもたちが県内の博物館などを無料で利用できる「ココロンカード」というものがあります。

このカードは、小学校1年生のときに配られて、その後中学校3年生までの間、大事にとっておいて使う、というのが兵庫県に暮らす子どもにとってはおなじみのパターンなのですが…

斎藤知事は、このココロンカードについて、井戸知事時代に配られたものを差し替えることを目的に、県内の全児童・生徒分の印刷し直しを命じた、というものです。

本来小学一年生に配って中学校卒業まで使用するココロンカードについて、9学年分、齋藤元彦の名前を入れて再配布したこと(小学3年生以降の児童生徒が持っているカードには前知事の名前が記載されているため)

なお、一般的にこの手のものは、発行した当時の知事名であれば当然に有効な代物です。複数年次にわたって効果を発する各種免許証・許可証は、前の知事の名前であっても全く効果は失われることはないのですが…

このことは「税金の無駄遣いでは」との批判とともに、大きな物議を醸したのでした。

【事案⑦】Teamsによる休日・深夜の指示事件

これも百条委員会でも取り上げられたほか、民間企業とかでもよく見る典型的なブラック企業案件なので、多くの方の印象に残っているかもしれません。

斎藤知事は、休日・深夜を始め、Teamsのチャット機能を使って、時間を問わず四六時中業務に関する指示を飛ばしてきます。

知事は特別職の地方公務員であり、勤務時間の概念はないのですが、県庁職員はそうではなく、勤務時間外のチャットは労働安全衛生上不適切なものと考えられます。

さくら
災害の時とか緊急事態のときとかはやむを得ないと思うんですけどね。

それだけでも不適切であるのに、そのチャットの文面もまた攻撃的・威圧的であったことが明らかになっており、それらも含めて総合的にパワハラのおそれがあると認識されている、という話です。

知事出席の有識者会議において、タブレット型端末を常に持ち歩いていることを紹介しつつ、「これを使って、休日や昼夜を問わず指示している。」と知事自身が発言されていました。(正確な言葉は忘れましたが、ストレートな表現でした。)
そういった行為がハラスメントであることは常識なので、有識者からも失笑が漏れていました。

新9、8級の方々の事をteamsのチャットでお前呼びすることがある。
※筆者注…9級:局長級、8級:課長級

知事から幹部職員への指示はteamsのチャットを用いており、その指示は夜間、休日問わずされ、対応が遅れると怒られると聞いている。そのため、幹部職員は夜間及び休日は常にテレワークでteamsを確認している必要があり、teamsの通知を個人携帯に飛ばそうと
デジタル改革課に相談するもセキュリティの関係でできず、外出時はやむを得ず幹部に配布されたタブレットでteamsを確認し、常にteamsを意識していなければならない状態であったと聞いている。
退職した幹部職員も含め幹部職員のteamsのチャット履歴を確認し、しがらみのない退職した幹部職員に確認すれば事実関係が明らかになると思われる。知事は働き方改革とは真逆のことを裏でやっていると感じた。

まとめ

以上、本日は、最近あまり報道されない、「斎藤知事のパワハラ事案」について、改めて振り返って見ました。

パワハラについては、最終的に「そうだ」と認定するためのプロセスが非常に難しく、それゆえに「現時点ではパワハラと認定されていない」という状況にあるのですが、そのことをもって「パワハラはない」「ねつ造だ」という主張には、かなり無理があると考えます。

少なくとも、虚偽の証言に罰則がついている百条委員会での証言を経て見えてきた事実から「パワハラの恐れがある事案が積み上がっている」ということは言って差し支えがないでしょう。

いずれにせよ、こういった事案があったことも、今回の選挙における大きな論点の1つであることは間違いありません。

なお、今回の記事の1次ソースは、兵庫県議会の百条委員会がとりまとめたアンケートと、委員会として行った事情聴取でのやりとりですが、これだけ膨大な資料を読み込んで、個人情報等を伏せる作業をして、当日の委員会の段取りをした百条委員会の委員の皆さん、そして兵庫県議会の事務方である議会事務局の皆さまには、本当に頭が下がる思いです。

改めて、感謝申し上げたいと思います。

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