東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は2025年6月26日、光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」の提供エリアを青森県、岩手県、山形県、福島県、神奈川県まで拡大することを発表しました。
これにより東北地方における通信インフラの強化とラストワンマイル問題の解決へ一歩前進が期待される。
フレッツ光クロスとは

フレッツ 光クロス(以下、本サービス)は、加入者光ファイバーを複数のお客さまで共用し、お客さまが契約するインターネットサービスプロバイダーさま等へ上り/下り最大概ね10Gbps1の通信速度で接続するベストエフォートサービスです。なお、本サービスは光コラボレーションモデルの対象サービス2です。
本サービスのオプションサービスである、最新の高速無線LAN規格「Wi-Fi6」に対応した「フレッツ 光クロス対応レンタルルータ」をご利用いただくことで、スマートフォンやタブレット端末等による無線接続でのインターネットもより快適にお使いいただけます。
本サービスの提供料金等の詳細については下記ホームページをご覧ください。
https://flets.com/cross/
ラストワンマイル問題とは

固定通信回線において、「設備状況」「電気通信事業者の方針」「環境上の都合」など様々な理由で隣県では超高速回線やひかり回線が導入できるにもかかわらずその地域で導入することができなくなる問題ある。
これは、「設備費用」や山間部などひかり回線を導入するにあたって避けれない問題が多く抱えているために起こってしまう避けようのない問題だ。
光回線はデータを回線終端装置を用いてひかり信号に変え、光が反射して移動する性質を応用した通信回線であるため、電気信号と同様に光信号の強さを強めると距離減衰を受けやすくなるこのため、離島や首都圏から離れたところでひかりクロスの提供がされにくい。
青森県、岩手県、山形県、福島県、神奈川県の一部市区町村まで拡大
2025年9月26日より青森、岩手の一部市区町村で先行してサービスが開始される予定だ。
詳しいサービス拡大範囲は以下の表を参照してほしい。
追加提供エリア(一部提供)※3 | お申し込み受付開始日 | 提供開始日※4 |
---|---|---|
【青森県】 八戸市、上北郡おいらせ町、 三戸郡五戸町、三戸郡階上町 【岩手県】 紫波郡紫波町、紫波郡矢巾町 | 2025年9月26日(金) | 2025年9月26日(金) |
同年12月23日より山形、福島、神奈川の一部市区町村でサービス提供開始が予定されている。
追加提供エリア(一部提供)※3 | お申し込み受付開始日 | 提供開始日※4 |
---|---|---|
【山形県】 米沢市、鶴岡市、酒田市、新庄市、 寒河江市、上山市、村山市、 長井市、天童市、東根市、南陽市、 東村山郡山辺町、東村山郡中山町、 西村山郡河北町、西村山郡大江町、 最上郡舟形町、東置賜郡高畠町、 東置賜郡川西町、東田川郡庄内町 【福島県】 会津若松市、郡山市、いわき市、 白河市、須賀川市、喜多方市、 相馬市、二本松市、南相馬市、 伊達市、 本宮市、伊達郡桑折町、 岩瀬郡鏡石町、岩瀬郡天栄村、 耶麻郡北塩原村、耶麻郡猪苗代町、 河沼郡会津坂下町、河沼郡湯川村、 大沼郡会津美里町、 西白河郡西郷村、西白河郡中島村、 西白河郡矢吹町、東白川郡棚倉町、 石川郡石川町、石川郡玉川村、 田村郡三春町、双葉郡浪江町、 相馬郡新地町 【神奈川県】 三浦市、足柄下郡湯河原町 | 2025年12月23日(火) | 2025年12月23日(火) |
サービスエリア拡大の工事に伴って工事スキームへの変更はなし
現行のフレッツ光クロス工事スキームは
- 局舎設備の空き状況の確認と配線区間図を用いた引き込み工事
- 既存のNTT配線を用いた品目変更工事
- 他社シェアード回線を用いた光回線再利用
以上の三つであるが基本工事である、局舎設備の空き状況の確認と配線区間図を用いた引き込み工事に関して特段のスキーム変更などは発表されていないため申込者の状況やNTT局舎内設備状況などに応じて申込から開通まで1~2ヶ月要することになるのは変わらないと思う。
また、サービスエリア拡大直後は申込が立て込み工事日程が埋まることも想定されるため余裕をもって申込を行うかエリア拡大から3~4ヶ月後に行うことをおススメします。
法人向け超高速光通信サービス「フレッツ 光クロス Biz」開始予定
小売り事業者やオフィスなどビジネスの場でも固定通信は欠かせられず、発注データの円滑な送信や取引先との円滑なコミュニケーションには高速かつ安定した通信環境が求められる。
これらを踏まえてNTT東西では9月30日より法人向け超高速光アクセスサービス「フレッツ 光クロス Biz」の提供開始を予定しており、同サービスも今回の東北エリアの拡大対象となっている東北エリアでの「フレッツ 光クロス Biz」はエリア拡大日と同時であると考えられる。
まとめ「東北におけるラストワンマイル問題の解消への一歩」
2025年9月23日を皮切りにNTTは東北地方における高速ひかり通信サービスの提供を予定してることが発表され、これにより東北地方におけるラストワンマイル問題の解消に一歩前進したと言えます。
しかしながら、提供範囲はまだ一部であるためオンラインゲーマーやストリーミング配信者を中心とした通信速度格差社会が生まれてしまうかもしれません。
また、9月30日には法人向けひかりクロスアクセスサービス「フレッツ 光クロス Biz」の提供開始も予定されておりビジネスシーンにおけるインフラ強化を検討する必要性があります。
NTTは今後も「快適な通信の提供を目指しサービスエリアの拡大・増強を検討」しているとの事なので対象でない地域でも今後の運営方針に注目が必要です。
- 最大概ね10Gbpsとは、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。本技術規格においては、通信品質確保等に必要なデータが付与されるため、実際の通信速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します。また、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線の混雑状況などにより大幅に低下することがあります。 ↩︎
- 光コラボレーションモデルとは、光コラボレーション事業者が提供するFTTHアクセスサービスを言います。詳細については下記ホームページをご覧ください。
https://flets.com/collabo/lb/service.html ↩︎