
皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!
元西播磨県民局長による内部告発文書をきっかけに、斎藤知事やその側近たちのさまざまな問題が明らかになった、いわゆる「文書問題」ですが、これについては再び行われた兵庫県知事選挙において、斎藤知事が再選を果たしたことにより、一応の決着を見たかのように思えましたが…
一方で、兵庫県政の混乱は収まる気配がないどころか、さらに強まっているのが現状です。
そうした中、立花孝志氏に情報を流出させ、竹内元県議への誹謗中傷…いや、攻撃を加速させた張本人である、岸口県議、増山県議、白井県議が2月23日、合同で記者会見を行いましたが…
その記者会見の様子が、あまりにひどく、大きな物議を醸しています。
本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、増山・岸口・白井県議の記者会見について、考察してみようと思います。
増山・岸口・白井3県議による記者会見の概要
2025年2月23日、兵庫県議会の日本維新の会所属の県議会議員である岸口実、増山誠、白井孝明の3人が、神戸市内で記者会見を行いました。
この会見は、昨年11月の兵庫県知事選挙に関連する一連の問題を背景に開催され、特に県議会調査特別委員会(百条委員会)の情報漏洩問題についての説明が主な目的でした。
百条委員会の情報漏洩問題について説明する場
この記者会見の直接のきっかけは、兵庫県の斎藤元彦知事に対する疑惑を調査する百条委員会での非公開情報が、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に提供された事件です。
増山誠県議は、昨年10月25日に非公開で行われた証人尋問の音声データを立花氏に渡したことを認め、岸口実県議は知事選期間中に立花氏と面会し、真偽不明の文書が渡される場に同席したとされています。
また、白井孝明県議も立花氏と接触し、噂レベルの情報を提供しようとしたことを認めています。
これらの行為が発覚したことで、2月20日に岸口氏と増山氏は百条委員会の委員を辞任しましたが、

百条委員会の辞任だけでは済まない!



このような議員が属する維新にも政治的責任がある!
と、県民はもとより、党内からの批判も高まりました。
そうした中で、彼ら3人による、時間無制限の会見が開かれることとなったのです。
「非公開」かつ「真偽不明」の情報を漏えいさせた…
さて、この問題の背景には、2024年3月に斎藤知事がパワハラ疑惑などで内部告発された、いわゆる「文書問題」から始まる一連の事案があります。
百条委員会はこれを調査するため設置されましたが、昨年10月の証人尋問では、選挙への影響を抑える観点から、非公開での実施が申し合わされており、増山議員も非公開での議事運営に賛成をしておりました。
にもかかわらず、増山氏は「非公開」の場で、告発文書を作成した元県幹部のプライバシーに関わる情報が発せられたところを録音しており、これを立花氏の手に渡しました。
そして、その内容が影響力の強い立花氏のSNSで発信されたことにより、知事選に影響を与えたとされています。
また、岸口氏が関与したとされる文書には、故人の県議を「黒幕」とする内容が記載されており、これも同様に拡散され、選挙結果に影響を与えるとともに、竹内元県議への苛烈な攻撃を誘発する要因となってしまったのです。
なお、これらの情報については、増山氏も岸口氏も「情報の中身が真実かどうかは分からない」という中で立花氏に漏えいし、発信させています。
今回の知事選は「デマに揺るがされた選挙」ということになっていますが、今回の記者会見は、まさにその張本人達による、デマを発信したことへの「釈明会見」になっていたわけです。


会見の目的は「経緯の説明と謝罪」のはず…
こうした背景がありましたので、会見の主な目的は、情報漏洩の経緯を明らかにし、県民や関係者への謝罪を行うことと、多くの人が理解していました。
増山氏は、百条委員会での証人尋問音声を録音し、知事選告示日の10月31日に立花氏に提供したと説明。その理由として、「県民が知事選前に情報を知るべきだという強い思いがあった」と主張しました。
一方、岸口氏は立花氏との面会を認めつつ、「文書を自分で渡したわけではない」と弁明しつつも、軽率な行動だったと謝罪しました。
白井氏は、立花氏の発信力に期待して接触を図ったものの、具体的な情報提供はしていないと強調しつつ、関係機関に迷惑をかけたことを、「まずは」謝罪しました。
途中からは開き直り「デマではない」
しかし、この記者会見、途中から謝罪を放棄し、自らの主張を延々と繰り返す、「開き直り会見」になってしまいます。
特にその傾向が顕著だったのが増山氏で、
- 一連の情報はデマだとは思っていない
- 維新よりも立花氏の方が情報発信メディアとしてふさわしい
- 新聞やテレビは偏向報道をしている
などと、全く謝罪のつもりなどない感じで、自説を延々と語り出すのです。
さらにはこの増山氏、自身が立花孝志氏から「今夏の参院選にNHKから国民を守る党の候補者として立候補してほしい」とオファーを受けていることも、会見の中で明らかにしており、
増山県議は、NHKから国民を守る党の人間であるということを、公の場でアピールする
ということになってしまっていたのです。



増山氏は、維新を離党する意思を明らかにしていますが、N国から選挙に出るという話があるのであれば、離党で責任を取ったことには一切ならないですよね…
その後、維新幹部も記者会見
なお、この後、日本維新の会の岩谷良平幹事長(衆議院議員)と兵庫維新の会の金子道仁代表(参議院議員)も、一連の問題を受けた記者会見を行っています。
岩谷幹事長は、「日本維新の会」として行った調査結果を報告した上で、くだんの3県議会議員たちが行った行動について「不適切な行為を行った」と謝罪を行うとともに、第三者委員会を立ち上げて事実関係を調査することを明らかにしています。
また、一連の問題がこの夏の参議院議員選挙に与える影響について、「大きなマイナスの影響があるのだろうと思います」と答え、非常に強い危機感を持っていることを伺わせました。



維新としては、国政選挙で惨敗することが一番恐ろしいですからね…
理解できない!維新支持者が「フリー記者」で参加
さて、今回の3県議の会見ですが、事前に想定されていた「謝罪会見」とは大きく異なる内容となり、ネットでは大きな物議を醸しました。
その主な要因は、増山氏の「開き直り」が大きなものではあったのですが、この「開き直り」を側面支援する体制が、記者会見の現場では敷かれていたのです。
それは、
維新支持者が「フリー記者」扱いで会見に参加していたこと
です。
具体的には、
- 斎藤氏の支持者を公言している、SNSで「祖品」と名乗る男
- 斎藤氏の周辺で配信活動を行う「ふくまろ」と名乗る男
- 日本維新の会から衆院選に立候補していた中島ゆみこ氏


です。
彼・彼女らは「フリーの○○です」と名乗って、3県議に対して質問を行っていましたが、中にはネット上のインフルエンサー的な存在の方こそお見受けできども、フリーのジャーナリストとして活動してきた実績はありません。
そもそもフリー記者とは何か
ところで、この議論に入る上で、フリー記者とは何なのかを、改めて確認しておきましょう。
なお、以下では、フリー記者、フリー配信者等のさまざまな態様があれども、記者会見に参加して取材活動を行おうとするものを、単に「フリー記者」と呼びます。



なお、「フリーの記者」とか「フリーの配信者」とか、フリーで活動する態様は多々あれど、記者会見で「フリーの…」と名乗った以上、何らかのジャーナリストであるとの扱いを受けるのが当然です。
一般に、フリー記者とは
一般的に特定の報道機関に所属せず、独立して取材活動を行い、記事や報道を制作するジャーナリストのこと
です。
彼らは、雇用契約に基づく給与ではなく、取材した内容をメディアに寄稿したり、個人で発信したりすることで収入を得る、フリーランスのプロのジャーナリストです。
日本では、記者クラブ制度が根強く、「記者クラブによって権力者が守られている」という批判もある中、フリー記者はそういった閉鎖性やしがらみを打破し、多様な視点を提供する存在として重視される存在になっています。



斎藤知事の記者会見では、記者クラブに属する菅野完さんや横田一さんなど、フリーの記者が鋭く切り込むシーンが目立ちますが、それがまさに「フリー記者」の役割なわけです。
今回の3人を「フリー記者」と呼べるのか
しかし、果たして、今回の記者会見に参加した3人は、いずれも「フリー記者」と呼んでよいのでしょうか。
維新の関係者であり、政治的な中立性が皆無
今回問題となった維新支持者をフリー記者と呼ぶことに躊躇する最大の理由は、彼らが日本維新の会との関係性を持ち、中立性を欠いていた点にあります。
今回取り上げた「フリー記者」を名乗る3人は、斎藤知事の選挙活動にかかわっていたり、あるいは自身が維新の候補者として選挙に立候補していたりと、いずれも維新の関係者と言われても仕方のないような関係性にあります。
フリー記者は、特定の政治勢力や団体の利害に縛られず、客観的な立場から事実を追求する役割が求められます。
もちろん、事実を追求した結果、特定の政治家や政党が不利になったりすることはあるでしょうが、それはフリー記者として活動したことの「結果」でしかありません。
しかし、ここで取り上げた3名は、「記者としての活動の結果」ではなく、初めから維新の議員や党の方針に深く共感し、その立場を隠さないままに記者会見の場に表れています。
このような姿勢は、フリー記者が担うべき中立性や批判的視点を完全に欠いており、単なる党の代弁者や応援団としての行動に過ぎません。



特に、直近の国政選挙で維新から立候補した人が「フリー記者」扱いで記者会見に入っているのは、いくらなんでも…という感じがします。
「23馬力選挙?」維新幹部に一蹴されるレベルの質問
そして、今回の記者会見で行った、自称「フリー記者」の維新支持者が行った質問のレベルも、大きな話題になりました。
特に象徴的だったのが、自称「フリー記者」の一人が、維新幹部陣の記者会見に際して行った、「23馬力選挙」に関する質問です。
とある自称フリー記者が、日本維新の会の岩谷幹事長や兵庫維新の会の金子代表に対して「23馬力選挙」と問うたものの、維新幹部陣は一様に「?」という表情。
そこで自称フリー記者が「稲村氏と22市長が…」と説明をするのですが、岩谷幹事長は、



しかし、その22人の方は選挙には出ていないですよね?
と、「2馬力選挙とは、自身の当選を目的とせず、他候補を応援する目的で行う立候補である」という、国における議論にのっとって、当該自称フリー記者の質問を一蹴するのです。
これは、兵庫県界隈の維新支持者にとっては衝撃的なシーンに見えたかもしれませんが、
という状況にあることから、岩谷幹事長の対応は、ごくごく常識的なもの。
逆に言うと、
兵庫県内の一部斎藤支持者が主張している論説が、兵庫県の外に出ると、いかに荒唐無稽なものとして扱われているかが、如実に表れたシーン
だということができるでしょう。



国会で総務大臣が答弁している重み、ですよ。
まとめ
以上、本日は、2月23日の増山・岸口・白井3県議の記者会見において、一連の問題に対する謝罪を行うのかと思いきや、自らの主張を延々と行う「開き直り」会見とした上、維新関係者を「フリー記者」と称して参加させ、自分たちに都合の良いように会見を動かそうとする様子について、ご紹介させていただきました。
さまざまな態様があれども、「フリー」を名乗って取材活動を行うというのは、誰からも守ってもらえず、自らの言論に対して自分で責任を取りきらないといけない、非常に重いこと。
その「フリー」での取材を、政治的デマゴーグで使おうとする行為は、ジャーナリズムに対する挑戦だと、個人的には考えています。
そして、もし初めからそのような意図で記者会見が設定されているとするのであれば、それは記者会見ではなく、ただの「記者会見ごっこ」でしかありません。
もっとも、だからこそ、いい加減な取材を行う者に対して、被取材者は毅然とした対応を取ることが許されるものであり、今回の場合は、維新支持者のいい加減な主張を維新幹部が一蹴する、というシーンを見ることができました。
このあたりの対応の差が、「責任を負わなくても良い者」と、「責任を負う者」の差なのかもしれません。
一方で、今回の大きなトラブルもまた、維新が引き起こしたものであります。
こういった不誠実な記者会見も含め、日本維新の会が組織として、この後どう対応するか、まさに今、試されているといえるでしょう。