「新しいiPhoneを手に入れたぞ!」と意気揚々とセットアップを始めたのに、突然表示される「アクティベーションロック」の文字。目の前が真っ白になった経験はありませんか?
あるいは、フリマサイトで中古のiPhoneを購入したら、まさかのアクティベーションロックがかかっていて途方に暮れている人もいるかもしれません。アクティベーションロックは、iPhoneの盗難・紛失時に第三者による不正利用を防ぐための強固なセキュリティ機能ですが、正規の持ち主にとっても予期せぬ足かせとなることがあります。
しかし、ご安心ください。この厄介なアクティベーションロックがかかってしまっても、解決するための手段はいくつか存在します。この記事では、アクティベーションロックを解除するための主な3つの方法を詳しく解説していきます。状況に応じて最適な方法を見つけ、あなたのiPhoneを再び自由に使えるようにしましょう。
アクティベーションロックとは?
アクティベーションロックとは、Appleが提供する「iPhoneを探す」機能の一部として、iOSデバイスに搭載されている強力なセキュリティ機能です。この機能は、iPhone、iPad、iPod touch、Apple Watchなどが盗難・紛失した場合に、デバイスが悪意のある第三者によって不正に利用されることを防ぐために設計されています。
具体的には、デバイスが「iPhoneを探す」をオンにした状態でiCloudアカウントに紐付けられていると、そのデバイスを初期化したり、アクティベートしたりする際に、紐付けられているApple IDとそのパスワードの入力が求められます。
このパスワードが入力できない限り、デバイスはアクティベーションロックがかかった状態となり、たとえ初期化されたとしても、通常の利用は不可能になります。つまり、単なる「画面ロック」とは異なり、デバイスの根幹部分に紐付いた、非常に強固なロック機能なのです。
この機能があることで、万が一あなたのiPhoneが盗まれたとしても、盗んだ犯人はそのiPhoneを自分のものとして使うことができません。それどころか、初期化することもできず、ただの文鎮と化すため、盗難の抑止力としても機能しています。しかし、その強力さゆえに、前述のように正規の所有者にとっても思わぬトラブルの種となることがあるのです。
アクティベーションロックの解除方法は3つ
アクティベーションロックがかかってしまい、iPhoneが使えない状態になったとしても、絶望する必要はありません。状況と条件によって異なりますが、主に以下の3つの方法でアクティベーションロックを解除できる可能性があります。
- Apple IDとパスワードを入力して解除する「難易度:簡単」
- 前の所有者に解除を依頼する「難易度:普通」
- Apple サポートに解除を依頼する「難易度:難しい」
Apple IDとパスワードを入力して解除する「難易度:簡単」
最も一般的で、かつ最も簡単な解除方法です。アクティベーションロックがかかった画面に表示されるApple ID(一部が伏せ字になっていることが多いです)と、そのApple IDに紐付くパスワードを入力することで、ロックを解除できます。
- この方法が使えるケース:
- あなたがデバイスの正当な所有者であり、Apple IDとそのパスワードを覚えている場合。
- 家族や友人からデバイスを譲り受けた際に、譲渡者がApple IDとパスワードを教えてくれた場合。
- 以前の所有者が、リモートで「iPhoneを探す」からサインアウトしてくれた場合(これによりアクティベーションロックが解除されます)。
- 注意点:
- パスワードを忘れてしまった場合は、AppleのiForgotページ(https://iforgot.apple.com/)からパスワードをリセットする必要があります。
- Apple ID自体を忘れてしまった場合は、購入時の情報などを元にAppleに問い合わせる必要があるかもしれません。
前の所有者に解除を依頼する「難易度:普通」
中古のデバイスを購入したり、譲り受けたりした場合に、アクティベーションロックがかかっていた際の主要な解決策となります。デバイスの現在のアクティベーションロックは、前の所有者のApple IDに紐付いているため、前の所有者に解除してもらう必要があります。
- この方法が使えるケース:
- 個人間での売買や譲渡でデバイスを入手し、前の所有者と連絡が取れる場合。
- 前の所有者が、自身のiCloudアカウントからそのデバイスの「iPhoneを探す」機能をオフにしてくれる、あるいはデバイスを削除してくれることで解除できます。
- 依頼する内容:
- オンラインでの解除: 前の所有者が、https://support.apple.com/ja-jp/find-myにサインインし、「iPhoneを探す」から該当デバイスを選択して「アカウントから削除」または「消去して削除」を実行してもらうのが最もスムーズです。この操作により、リモートでアクティベーションロックが解除されます。
- パスワードの共有: 前の所有者が一時的にApple IDとパスワードを教えてくれ、あなたが直接デバイスに入力して解除する方法も考えられますが、セキュリティ上のリスクがあるため、あまり推奨されません。
Apple サポートに解除を依頼する「難易度:難しい」
上記2つの方法が利用できない場合、最終手段としてAppleサポートに直接解除を依頼する方法があります。ただし、この方法にはいくつかの厳格な条件があります。
- この方法が使えるケース:
- あなたがデバイスの最初の正規の所有者であると証明できる場合。
- 購入時の領収書やレシートなど、デバイスの所有権を証明する書類が手元にある場合。
- 相続などによりデバイスを承継し、その証明ができる場合。
- 企業などで管理していたデバイスで、購入証明がある場合。
- 注意点:
- 購入証明がない場合や、不正に入手したデバイスであると判断された場合、Appleは解除に応じてくれません。
- 個人間の売買で入手したデバイスの場合、購入時の領収書がないことが多く、この方法での解除は非常に困難です。
- デバイスを紛失したり盗まれたりして、そのデバイスの所有権を失っている場合は、この方法で解除することはできません。
Apple サポートに解除を依頼する流れ
アクティベーションロック解除の最終手段として、Apple サポートに依頼する際の流れを、より具体的に説明します。この方法は、あなたがデバイスの正規の所有者であると証明できる場合にのみ有効です。
Activation Lock – Supportにアクセス
まずはじめに、Activation Lock – Supportへアクセスします。

アクティベーションロックの解除をサポートするページにアクセスできるので下に
スクロールします。

Appleにサポートをリクエストするリンクが表示されるので保有形態に合わせたリンクを
クリックします。※今回は個人とします。
アクティベーションロック解除に当たっての注意事項を確認し同意します。

リクエストを受け付けるのに必要なメールアドレスと解除を依頼する端末のシリアル番号/IMEI/EIDのいずれかとリキャプチャ認証を行い続けるをクリックします。

リクエスト内容を入力する
Appleより以下のようなメールが送られてくるのでリンクをクリックしてリクエスト内容を入力していきます。


デバイスのシリアル番号下4桁が解除対象であることを確認します。
次に製品名が間違っていないことを確認して氏名等を入力します。
氏名の字体はかならず後ほどアップロードする購入証明書と一致させる必要があります。
初回購入日に購入証明書記載の購入日を入力します。

次に端末の購入場所の情報を入力します。
- ストア名:販売店名称
- 住所
- 市区町村
- 都道府県
- 郵便番号
- WebサイトURL:オンラインショップの場合のみ
特定商取引法に基づく表記へのURLを記入しておくとリクエスト承諾の可能性
があがります。

アクティベーションロックを解除するにあたって所有者が試した操作を分かりやすく簡潔にかつ詳細に記載します。
例:アップルIDのパスワード変更や再設定を試みようとしたがロックが掛かってしまい所有者の証明が必要となってしまい自己解決が困難な状態に陥ってしまった。

最後に所有権を証明する販売店発行の証明書のスキャンデータをアップロードし送信
します。
審査開始
送信されたリクエスト内容と証明書の情報を精査しAppleが求める解除要件を満たした場合にのみロックが解除されます。
要件が満たされない場合、証明書の再送信もしくはリクエストの再提出が要求されます。
審査には約1~2週間かかります。
注意点と心構え
- 購入証明は必須: 正当な購入証明がなければ、Apple サポートでもアクティベーションロックを解除することはできません。これは、盗難品の不正利用を防ぐためのAppleの厳格なセキュリティポリシーによるものです。
- 個人情報保護の観点: Appleは、デバイスの所有者を保護するために、非常に慎重に審査を行います。そのため、証明書類が不十分な場合や、不正な取得が疑われる場合は、解除を断られることがあります。
- 忍耐が必要: 審査には時間がかかることがあります。焦らず、Appleからの連絡を待ちましょう。
- あくまで最終手段: この方法は、他の解除方法が利用できない場合の最終手段として考えてください。できれば、Apple IDとパスワードを管理するか、中古品購入時にはアクティベーションロック解除を確認することが重要です。
この流れを理解し、準備を整えてからApple サポートに連絡することで、スムーズな解除手続きに繋がるでしょう。
Appleが求める購入証明書とは?
Appleがアカウントや端末の所有権の有無を証明するものとして受け入れている書類は以下の通りです。
- 販売店発行の購入証明
- レシート
- 領収書
- オプション照会票(au)
- 割賦契約書
いずれも販売店の住所や名称と解除対象である端末のIMEIまたはシリアル番号と購入日が
記載されている必要があります。
オプション照会票(au)とは?
オプション照会票(au)はKDDI/沖縄セルラー電話が発行し、auショップ従業員が料金プランやキャンペーン・サービスの紹介をする際に活用する契約情報のあらましです。
- 契約者情報
- 割賦契約情報
- auペイプリペイドの契約状態
- auペイカードの契約状態
- 各種オプションサービス契約
などの情報が一覧で出力された照会票です。
重要機密情報かつ個人情報であるため、契約者個人に直接の発行はしておらず、閲覧してもらうことが可能ですがApple製品のアクティベーションロック解除依頼時に限って販売証明書と抱き合わせで発行してもらえるケースが多いです。
※ただしショップによっては取り扱わない場合もあります。
まとめ
アクティベーションロックがかかってしまっても、適切な方法と条件が揃えば解除は可能です。
この記事でご紹介したように、アクティベーションロックを解除するには、主に以下の3つの手段があります。
- Apple IDとパスワードで解除する: 最も直接的で簡単な方法です。デバイスに紐付いているApple IDとパスワードを覚えている場合、その場で入力することでロックを解除できます。パスワードを忘れた場合は、Appleのウェブサイトからリセットが可能です。
- 前の所有者に解除を依頼する: 中古品を購入したり譲り受けたりした場合に有効な方法です。前の所有者が自身のiCloudアカウントからリモートでデバイスを削除するか、直接パスワードを教えてもらうことで解除できます。購入前には必ずアクティベーションロックの状態を確認し、解除を約束してもらうことが重要です。
- Appleサポートに解除を依頼する: 上記2つの方法が難しい場合の最終手段です。
あなたがデバイスの最初の正規の所有者であることを示す購入証明(領収書など)があれば、Appleサポートが審査の上、解除に応じてくれる可能性があります。ただし、所有権の証明ができない場合は解除が非常に困難となるため、購入時の書類は大切に保管しておきましょう。
アクティベーションロックは、私たちのデジタル資産を守るために不可欠な機能です。もしロックがかかってしまっても、焦らず、ご自身の状況に合った方法で冷静に対処してください。
そして、何よりもデバイスの購入証明を大切に保管し、Apple IDとパスワードをしっかりと管理することが、こうしたトラブルを未然に防ぐ最善策であることを忘れないでください。