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空白だらけ…選挙ポスター掲示板から読み解く兵庫県知事選挙の課題と展望

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皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!

2024年10月31日、いよいよ兵庫県知事選挙が本格的に始まりました。各候補者は、選挙ポスターを掲示するとともに、各地で第一声を上げ、精力的な活動を始めようとしています。

しかし、この選挙ポスター、どうも貼られていない箇所が目立ちますし、全体的にそこはかとない違和感を覚えるのです。

これはいったい、何なのか…。そして、ここを深掘りして考えてみると、いろいろなものが見えてきます。

本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、選挙ポスター掲示板から見える兵庫県知事選挙の問題点や展望について、ご紹介しようと思います。

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今年の秋〜冬は、自分で買ったカニをおいしく食べて、幸せな年末を送りましょう!

目次

異様に多いポスター掲示スペース

一般に、選挙掲示板のポスターは、

想定される候補者数+α

くらいの掲示スペースを確保する形で、各市町村の選挙管理委員会が発注します。

都道府県知事選挙の場合、報道等で立候補者数を予想するほか、事前に都道府県選挙管理委員会が行う「立候補予定者説明会」に来た陣営数などから推測して、都道府県選管が管内選管に想定数をお知らせするような動きもあるようです。

さて、そんな今回の兵庫県知事選における想定数ですが、かなり大きな変遷をたどることになります。

【フェーズ①】当初は7名の想定

当初、今回の兵庫県知事選挙については、7名の立候補が想定されていました。具体的には

  1. 大沢候補
  2. 斎藤候補
  3. 中村候補
  4. 稲村候補
  5. 中川候補
  6. 清水候補
  7. 福本候補

の7名でした。

【フェーズ②】立候補予定者説明会に13陣営が登場

ところが、立候補予定者説明会で風向きが変わります。

この時点において、報道等で明らかになっていた立候補予定者数は上記のとおり7名だったのですが、立候補予定者説明会に現れた陣営数は、想定を大きく超える13陣営

兵庫県選挙管理委員会の担当者は、

説明会の参加人数については記録が残っていないので断言はできないが、13陣営も来たことはおそらくない

と、驚いたコメントを残しています。

これを受けて、兵庫県選挙管理委員会は、13名に少しバッファーを持たせた、16名程度の候補者を想定したようで、県内市町の選管は、ポスター掲示板を発注します。

【フェーズ③】立花孝志氏「10名を擁立する」

どんどん混迷を深める兵庫県知事選挙ですが、ここに新たに登場したのが、NHKから国民とを守る党の代表、あの立花孝志氏です。

立花孝志氏は、自身の立候補に加えて「10名を擁立する」と、とんでもない発言を行います。

仮に立花孝志氏の発言どおりに候補者が擁立されると、

  1. 当初想定された13人
  2. 立花孝志氏(1人)
  3. 追加で擁立される10人
  4. ①+②+③=24人

と、とんでもない候補者数になってしまいます。もちろん、これだと掲示スペースは足りません。

県選管と県内市町の選管は、大慌てでポスター掲示板を増設します。単純に増設したパターンもあれば、既に行われた衆院選のポスターを再利用するパターンなど、さまざま工夫をこらす中で、最大24人の候補者数に対応できるよう、必死で対応したのです。

貼られていない箇所が目立つ掲示板

ところが、これだけ大量に貼るスペースを用意したポスター掲示板なのに、いざ選挙戦が始まってみると、ほとんどポスターが貼られていません

上記の投稿では清水候補、稲村候補、斎藤候補、大沢候補と、4人分のポスターしか貼られていませんが、斎藤候補のポスターが貼られていないエリアも多いと、SNSでは話題になっています。

ここは立花候補のポスターはありますが、斎藤候補のポスターはありません。

なぜ、このようなことになったのでしょうか。

【理由①】立花候補の「10名擁立」が撤回された

まず、これが何より大きな理由なのですが、

立花候補が、「10名を擁立する」との発言を撤回した

ということです。

まがりなりにも政党の代表であり、かつて国会議員も経験し、東京都知事選挙で大量の候補者を動員した立花氏の「10名擁立」は、話半分で適当に聞き流すわけにはいきません。

兵庫県選管と県内市町の選管は、これを受けて真摯に対応したわけですが、これが結果として奏功しなかったというわけなのです。

なお、県内全体で掲示板の増設が行われましたが、これは相当な経費になっていると推測されます。

立花氏の発言がなければ不要だったポスター掲示板…その経費は、すべて県民の税金でまかなわれていることを、決して忘れてはいけません。

【理由②】ポスターを貼るボランティアがいない

上記「理由①」は大変由々しき問題ではありますが、

一方で今回、きちんと立候補した候補者7人についても、まともにポスターが貼れているのは、清水候補、稲村候補、大沢候補の3名のみ。

前兵庫県知事である斎藤候補ですら、ポスターを網羅的に貼ることができていないのです。

これはいったい、なぜなのか。それを考えるカギとなるが

選挙ポスターは、ボランティアの支援者が貼っている

という事実です。従って、

選挙ポスターがどれくらいきちんと貼られているかは、実際に県内で支援している人がどれくらいいるかを測る、一つの目安になる

ということが言えようかと思います。

選挙エリアが狭い市町村長選や市町村議会議員選、あるいは都道府県議会議員選であれば、なんとか頑張れるかもしれませんが、選挙エリアが広域となる都道府県知事選挙で、選挙ポスターを全域に貼ろうとすると、現実的には組織的な支援網がないと不可能です。

そしてその「組織的な支援」は、インターネットでつながった架空の支援網ではなく、実際に会って、手を握って、ともに活動できる熱量を持った人たちによる、「リアルな支援網」が必要になります。

この視点にたったとき、

  • 清水候補:維新系を中心にした支援網
  • 稲村候補:党派を超えたさまざまな支援網、多くの県内首長の支援網
  • 大沢候補:共産党系を中心にした支援網

と、ポスターを貼れている候補は、リアルな支援者を有しており、それらが人海戦術的にポスターを貼る活動を行えているのです。

一方、斎藤候補や立花候補は、ネット上における支援網が確認できますが、実際にポスターを貼るような「地道な活動」を行える支援網が十分ではなく、そのことがポスター貼りの進捗状況の差になって表れている印象です。

【注意】ポスターと選挙の結果は必ずしも関係ない

ただし、これは誤解のないように、くれぐれも言っておきますが、

「ポスターを貼る支援網がある」ことと「実際の選挙で勝てる」ことは、必ずしも一致しない

と言う点には、留意が必要です。

実際、ポスター貼りなど、組織的な活動量には定評がある某政党陣営(あえて実名は出しません)ですが、だからといって選挙に勝てているかというと、必ずしもそうではないことは、皆さんご存知のとおりです。

ポスターを貼りきれる支援網がない陣営で、選挙に勝てるのかどうか。

ネット上で見られる熱狂的な支援は、果たして砂上の楼閣に過ぎないのか、それとも実体を伴っているのか…。

それは、今回の兵庫県知事選挙の結果で、きっと明らかになることでしょう。

さくら
今回の原稿では論じませんが、「そもそも県内全域にポスター貼りを余儀なくさせる選挙運動自体が果たして今日的なのか?」は議論しても良いように思いますね。

まとめ

以上、本日は、兵庫県知事選挙において、妙に目立つ「貼られていないポスター掲示板」問題に着目し、いくつかの考察を行いました。

異様にたくさんの掲示スペースができてしまった一方、それが使われずにムダに終わってしまったのは、立花孝志氏の「10名擁立」が撤回されてしまったから。

そして、実際に立候補した候補者たちの中に、ポスターを貼れていない陣営がいるのは、ポスター貼りという地道な活動を一生懸命やってくれる支援者がいるかいないかの差。

今回の選挙は、話題性が高いがゆえに、さまざまな人のさまざまな思惑が入り交じり、情勢が意味も無く混沌としてしまっています。

ある意味、一連の県政の混乱を象徴しているのが、今回の兵庫県知事選挙であり、そしてそれが「空白の目立つポスター掲示板」という形で可視化されてしまっているのかもしれませんね。

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