皆さん、こんにちは!兵庫県でギター女子をやっている、さくらです!
元西播磨県民局長による内部告発文書をきっかけに、斎藤知事やその側近たちのさまざまな問題が明らかになった、いわゆる「文書問題」ですが、これについては再び行われた兵庫県知事選挙において、斎藤知事が再選を果たしたことにより、一応の決着を見たかのように思えましたが…
一方で、兵庫県政の混乱は収まる気配がないどころか、さらに強まっているのが現状です。
斎藤知事は「民意を得た」「県民の負託を受けた」というようなことをしきりに言いますが、そうした言葉が反対派を納得させることは全く出来ていません。
なぜ、選挙で勝った斎藤知事の「民意を得た」「県民の負託を受けた」といった主張は否定されているのか…。
本日は、兵庫県在住のギター女子・さくらが、斎藤知事の「民意を得た」「県民の負託を受けた」という主張の妥当性について、検証しようと思います。
2024.11.17の知事選で勝ちはした
2024年11月17日に行われた兵庫県知事選挙は、前職の斎藤元彦氏と、前尼崎市長の稲村和美氏とが事実上一騎打ちで争う構図となり、結果として斎藤元彦氏が当選することになりました。
候補者名 | 得票数 |
斎藤 元彦 | 1,113,911 |
稲村 和美 | 976,637 |
清水 貴之 | 258,388 |
大澤 芳清 | 73,862 |
立花 孝志 | 19,180 |
福本 繁幸 | 12,721 |
木島 洋嗣 | 9,114 |
このように、斎藤氏は約110万票の票を得たことになり、ここから斎藤知事やその支援者たちは、
と主張しているわけであります。
なお、反斎藤派の勢力の中に「県民全体の1/5くらいの票しか得てないから民意を得たことにはならない」と主張している人がいますが、選挙は最大得票者が勝者になるという制度で共通理解が得られているものなので、さすがにこの主張は無理筋だと思います。
しかし斎藤氏の選挙活動には公職選挙法違反の疑いが…
一般的な事案であれば、選挙が終われば、その結果は確かに「民意」となり「住民の負託」となるものではあるのですが…
兵庫県知事選挙の場合、ここで話が終わりません。
斎藤知事やその周辺には、いくつかの公職選挙法違反が疑われる事案が転がっており、
斎藤知事が当選した選挙そのものの妥当性が疑われている
という状況にあります。
では、どういった点に公職選挙法の疑いが生じているのか。いくつか見ていきましょう。
PR会社にかかわる公職選挙法違反疑惑
今回の兵庫県知事選挙は、SNSを通じて、真贋を問わず、さまざまな情報が発信され、このことが有権者の投票行動に大きく影響したことが指摘されています。
斎藤知事サイドも、SNSを積極的に運用していたのですが…
このSNS運用を行っていたPR会社・株式会社merchu(メルチュ)が、業務として対価を得ながら、インターネット上の選挙運動の企画・立案を行い、斎藤知事への投票を呼びかけていた旨、merchuの代表取締役である折田楓さんのnoteで、自らが明らかにしていました。
その後、「やばい」と誰かに指摘されたのかは分かりませんが、noteの文章は大幅に削除されました。
しかし、いくらnoteの文章を削除しようとも、選挙期間中に折田楓さんがSNS関連のさまざまな運動をしていた証拠は、さまざまなところに残されていて、今さら言い逃れなどできようもない状況にまで来ています。
ところが、こういった、対価を得て選挙運動を行う行為は、公職選挙法に定める買収罪が適用されることになります。
そのため、斎藤知事とPR会社の折田楓氏については、元東京地検検事であった弁護士の郷原信郎氏と、神戸学院大の上脇博之教授から刑事告発を受けており、現状、それらが受理されている状況にあります。
公職選挙法違反で刑事罰が確定すると失職する
そして、この公職選挙法違反による有罪が確定すると、
- 本人:罰金刑以上の刑が確定すれば失職
- 関係者:立場によって異なるが、罰金〜禁固刑(執行猶予含む)以上の刑が確定すれば失職
といったように、
公職選挙法違反で当選した場合、当選そのものが否定される
というしくみになっています。
もちろん、刑が確定するまでの間に行った知事としての行為までもが無効になるものではありません。
のです。
公職選挙法違反で得た票は「民意」ではない
このあたり、スポーツ選手が金メダルをとっても、ドーピング検査で「クロ」となった場合、当該メダルが剥奪されるのに、よく似ていると思います。
つまり、言うなれば、
公職選挙法違反は、ドーピングと同じ
ということになるのです。
たとえ当開票日当日において、もっとも多い票を得て当選したとしても、公職選挙法違反となってしまえば、それらの票は、実質的にはすべて無効。
従って、
公職選挙法違反で得た票は「民意」でもなければ「県民の負託」とも言えない
のです。
疑いに誠意ある説明をしないから疑惑が深まる
もちろん、これらの公職選挙法違反については、現時点で「疑い」「おそれ」の域を出ていません。実際、刑事告発についても、受理こそされているものの、逮捕や送検といったところまでは至っていないのも事実です。
なので、ひょっとしたら今回の公職選挙法違反については、結果として違反がなかったとの結論になるかもしれません。その可能性を現時点において否定することは、現実的にはできないでしょう。
ただ、
のですが、斎藤知事はなぜかこの「自分の言葉で、誠意を持って説明」することを頑なに拒否します。
木で鼻をくくったような態度で「公職選挙法に違反する事実はないと認識している」と、自らの認識を述べはするものの、詳細なことを問われると、いつも
詳細は弁護士に一任しているので…
と言って逃げて、自らの言葉では何一つ説明しようとしません。
もちろん、法的な争いになっている事案において、当事者が説明を避け、弁護士に任せるというのは、一般的によくある状況ではあるのですが、本件については、
政治家が、自らの政治生命について問われている事態であり、そうした状況で政治家が自らの言葉で説明できないというのは、あまりにも致命的
と評価せざるを得ないでしょう。
なお、一任された弁護士はというと、記者会見で記者から厳しい質問を投げられると、
詳細は本人でないと分からない
と言って逃げようとします。
斎藤知事に聞いたら「弁護士に一任している」と言われ、かといって弁護士に聞いたら「本人でないと分からない」と言われて、無限ループに陥ってしまう…。
誠意を持って一生懸命説明責任を果たそうとしているのならともかく、この状況で、「公職選挙法違反はまだ確定していない」とか「違反の事実はないと認識している」とか言われても、誰もまともに斎藤知事の言っていることを信じることはできないのです。
まとめ
以上、本日は、斎藤知事やその支持層が言う「民意を得た」とか「県民の負託を受けた」といった言葉について、本当に斎藤知事に「民意」や「県民の負託」があるのか、考察してみました。
確かに斎藤知事は2024年11月の兵庫県知事選挙において当選し、外形上は「民意」や「県民の負託」があるように見えますが、一方で
選挙の根拠法である公職選挙法に違反している疑いがかけられており、しかもその疑いに対して誠意ある対応をしていないことにより、得たはずの「民意」や「県民の負託」に、強い疑義が生じている
という状況にあります。
ドーピングで得た金メダルは剥奪。誰もが疑うことのない事実です。そして、これは選挙制度も実は同じ。
現在、公職選挙法違反の容疑については、警察・検察の捜査が進んでいると思われます。
その捜査結果や、その後の裁判の結果によっては、斎藤知事が得たと主張する「民意」や「県民の負託」は、いよいよ完全に否定されることになる
ということを念頭に、今後の動き、注視していきたいところです。